山種美術館 展示室(速水御舟展より) 撮影=小池宣夫
アート&エンターテインメント
2020.03.23

美術館で楽しむお花見
―山種美術館 特別展「桜 さくら SAKURA 2020」

水温む春の気配に心浮き立つ頃。今年も、日本を象徴する花・桜の季節がやってきた。

古来各地の山野に自生していた桜は、中世・近世においては貴族や武家を中心に愛でられ、江戸時代になると花見の文化が庶民階級にまで広まったほか、多様な園芸品種も生み出された。その咲き姿の華やかさ、散り姿の儚さが人々を魅了し、詩歌に詠まれ、さまざまな意匠となり、日本人の美意識と深く結びついてきた花だ。


奥村土牛《醍醐》1972年 紙本・彩色 山種美術館

絵画においても多彩な表現のインスピレーションとなった桜が、山種美術館の特別展「桜 さくら SAKURA 2020―美術館でお花見!―」で咲き誇っている。例年好評を博している展示では、所蔵コレクションから厳選された約50点が一堂に。横山大観や速水御舟をはじめ、近代・現代の画家たちのさまざまな個性の競演を堪能できる。


小林古径《桜花》1933年頃 絹本・彩色 山種美術館

古くから日本を代表する桜名所のひとつである、奈良の吉野山を描いた奥村土牛(とぎゅう)の《吉野》や、福島の「三春の滝桜」に取材した橋本明治(めいじ)の《朝陽桜》(写真下)など、各地の名所や名木を題材にした作品も数多く、これらを巡っているかのような気分にも浸れるはずだ。館内の「Cafe 椿」でいただく特製和菓子や、オリジナルのミュージアムグッズなどの楽しみも特別展ならでは。


菱田春草《桜下美人図》1894年  絹本・彩色  山種美術館


橋本明治《朝陽桜》1970年 紙本・彩色 山種美術館

今年の日本は暖冬の影響で開花も早まり、桜の時期は少し足早に過ぎてしまいそう。ならばのんびりと、永遠の満開の下をそぞろ歩くような美術鑑賞のひとときを過ごしてみてはいかがだろう。

【特別展】桜 さくら SAKURA 2020 ― 美術館でお花見!―
会期:開催中~2020年5月10日(日)
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
会場:山種美術館 東京都渋谷区広尾3-12-36
休館日:月曜日(ただし5月4日~6日は開館、5月7日休館)
主催:山種美術館、朝日新聞社
問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル 受付時間8時~22時)
www.yamatane-museum.jp/