© N.M.R.L./ Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida
アート&エンターテインメント
2019.11.13

「カルティエ、時の結晶」が国立新美術館で開催中

文=福津くるみ

「カルティエ、時の結晶」が、12月16日(月)まで六本木国立新美術館で開催中だ。


© N.M.R.L./ Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida

展覧会は、時を超えた作品をある場面では対比的に配置しながら、作品と作品の関係性を紐解けるようなユニークな展示スタイル。「時の結晶」というコンセプトのもと、カルティエと新素材研究所/杉本博司+榊田倫之のコラボレーションが初めて実現した。新素材研究所が美術展の会場構成を本格的に手がけるのは初めてで、会場構成では彼らのこだわる無垢素材の木や石、ガラス、そして川島織物セルコンと開発したファブリックなどを用いて、他にみない空間を生み出している。「旧素材こそ最も新しい」という理念で、伝統的な職人の技術と最新技術とを融合させ現代的なディテールで仕上げる彼らのデザインが、「時」を意識し回遊する展示空間を創出し、新たな鑑賞体験を堪能することができる。


大型の「ポルティコ」ミステリークロック/カルティエ パリ/1923/カルティエ コレクション/Marian Gérard, Cartier Collection © Cartier

みどころとなるのは、1970年代以降の現代作品に焦点を当て、「カルティエ コレクション」とともに展示されているという世界初の試み。展示作品は約300点におよび、そのおよそ半数は世界中の個人所蔵作品という、この規模では二度と見られない貴重な作品の数々を鑑賞することができる。「時間」をテーマに、「序章『時の間』」に続く「色と素材のトランスフォーメーション」「フォルムとデザイン」「ユニヴァーサルな好奇心」という3つの章で、カルティエのイノヴェーションに満ちたデザインの世界を探求。時間を自由に往来し、素材に秘められた可能性を探求することによって、色彩や線、フォルムなど、伝統を継承しつつも、常に宝飾界に新しい風を吹き込み続けるカルティエの想像力に満ちた美の秘密を紹介する。


ネックレス/カルティエ/2016/個人蔵/Vincent Wulveryck © Cartier

 

「カルティエ、時の結晶」
会期:開催中~ 2019年12月16日(月)
開館時間:10:00〜18:00(毎週金・土は20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E
(東京都港区六本木7−22−2)
休館日:毎週火曜日
主催:国立新美術館、日本経済新聞社
特別協力:カルティエ
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

https://Cartier2019.exhn.jp