上:すべてOhagi3の商品。左から満月(きなこ)、新月(ココナッツ)、焙月(焙じ茶)、半月(抹茶)、夕月(みたらし)。下:タケノとおはぎより、左からつぶあん、麻の実ときなこ、ナッツ、金柑と日高昆布、ココナッツとレモンピールのおはぎ。
2020.03.18

進化するおはぎ

五穀豊穣を象徴するお米を、邪気を祓うとされる赤い小豆で作った餡で包んだお菓子が「おはぎ」。古来日本では、ご先祖様に感謝 の思いを伝えるお彼岸(春分の日と秋分の日を中日とし、その前後 の合計7日間)の時期に、おばあちゃんやお母さんの手作りおはぎ を食べるのが習わしだったが、その習慣も時代とともに廃れてしま った。しかしそれでも、日本人はおはぎが好きだ。甘くてもちもちと 柔らかく、濃い日本茶にことのほか合う腹持ちのよいお菓子。日本 人のソウルフードともいえるおはぎが、今また注目を集めている。

Ohagi3(オハギサン)
茶の湯文化が盛んで、和菓子の名店が軒を連ねる名古屋に本店 と2軒の支店がある「Ohagi3」。2019年の夏、4号店として浅草店を オープンした。国産米と無添加の原材料にこだわったおはぎ(1個 220円~)は、王道の美味しさの中に遊び心が感じられる味わい。 餡を中に包み、表面に焦げ目をつけた上に甘じょっぱいみたらし 餡をのせた「夕月」や、浅草店限定の焙じ茶風味の「焙 ばいづき 月」はぜひ 食べてみてほしい個性派おはぎだ。アイスクリームやわらび餅と おはぎが一つになった新メニュー、Ohagiパフェ(700円~)も浅草 散策のお供として人気がある。


タケノとおはぎ
オーナーの小川寛貴さんのおばあちゃんの作るおはぎは、甘さ控 えめの優しい味だった。4年前、その温かい記憶を胸におはぎ専門 店をスタート。定番の粒餡とこし餡のほか、その日の朝に変わりお はぎのメニューを5種類決める(1個250円~)。

旬や季節というと ありきたりだが、花が咲いたり風が吹いたりといった身の回りの日 常にある小さな “リアル”を、気のむくままにメニューにしているという小川さん。午前中に作り、お昼から販売をして売り切れたら店 じまい。おはぎしかない、でもここにしかない味を求めて、連日驚 くほどの行列ができる。

 

Ohagi3
台東区浅草1-31-4
Tel.03-5830-3103
10時~18時
不定休
ohagi3.com

タケノとおはぎ
世田谷区桜新町
1-21-11
Tel.03-6413-1227
12時~18時
月曜・火曜定休、夏期休暇あり

最新の家庭画報国際版2020年春夏号では、日本の食を大特集しています。