- 旅
- 2020.03.26
宇治茶のふるさと、京都・和束町へ②
知る、食べる、遊ぶ――行ってみたくなる和束の魅力
京都府南部、京都市内からは車でも列車でも1時間半の距離にある和束町(わづかちょう)。ここが日本茶の最高峰、宇治茶のふるさとであり、現在もその生産量の約半数を占めていることは、実は日本人にもあまり知られていない。東西を貫く和束川に沿って連なる山並みの合間で、茶の生産が始まったのはおよそ800年前。この地に点在する小さな14の集落が、山肌に茶畑を切り拓き、技術を磨き、その生業を守り続けてきた。昔ながらの景観が今も息づく和束町を旅してみよう。
長い冬が終わり春が訪れると、にわかに和束町の里山は賑やかになる。梅が咲き、やがて桜が咲き、そして4月の終わり頃になると得も言われぬ柔らかな黄緑色の茶の新芽が和束町を覆いつくす。立春から数えて八十八日目、5月初旬になるといよいよ新茶の収穫だ。この時期、和束町の茶農家では旅行客に向けた茶摘みイベントを開催する。実際に畑に入り、農家の方々と一緒に新茶を摘む体験ができるのも、この地ならではの楽しみだ。
もう一歩踏み込んだ観光を楽しむなら、ガイドツアーにも参加してみてほしい。町の歴史について説明を聞きながら里山の名所や茶畑を巡り、和束川沿いに開通した遊歩道から竹林へ進むと、その先では山の岩肌に彫られた弥勒磨崖仏にも出会える。英語でのツアーも開催されており、通年多くの外国人観光客が訪れているという。
茶畑のなかに作られた絶景のカフェ
散策の途中で立ち寄りたいのが、茶農家が大切に育てたお茶や、茶葉を使ったお菓子などを取り揃えた「和束茶カフェ」。お土産を選ぶだけではなく、店の奥のカフェスペースでゆるりとくつろぐことも。また近くには京都府内の木材を使い、京都市内にある高台寺の茶室をモチーフに建てられた天空カフェもある。ここは京都府景観資産登録第一号となった釜塚の茶畑が一望できるツリーハウスだ。利用は事前予約が必要となる。詳しくは和束茶カフェまでお問合せを(記事の最後にある情報を参照)。
また2019年春には和束町でも最高のビューポイントとされている石寺の茶畑を臨む「dandancafe」もオープン。ガラス張りの店内からは美しい茶畑が一望でき、茶処ならではのオリジナルドリンクやランチ、デザートがいただける。
山林を生かしたマウンテンバイクコースへGO!
東部に位置する湯船エリアは和束町の中でも豊かな自然の宝庫として人気がある。なかでも広大な山林を活かしたマウンテンバイクコース「湯船MTB LAND」は、2021年開催予定のワールドマスターズゲームズ2021関西において、マウンテンバイクの競技会場になる予定だ。起伏に富んだエキサイティングなコースは初心者向けから上級者向けまで用意されており、未経験者はビギナー講習を受けることもできる。自転車の貸し出しも行っているので、旅の途中での立ち寄りもOK。里山での穏やかなお茶体験とはひと味違う、アクティブな時間を楽しんでみてはいかがだろうか。
和束町活性化センター
wazukanko.com
和束茶カフェ
京都府相楽郡和束町白栖大狭間35
Tel. 0774-78-4180
10:00~17:00(日曜・祝日のみ9:00からオープン) 年末年始定休
dandancafe
京都府相楽郡和束町石寺東谷1-1
Tel. 0774-66-1185
10:00~16:00(7~9月は17:00まで)火曜、水曜定休
湯船MTB LAND
京都府相楽郡和束町大字湯船小字薮田103
Tel. 0774-78-3002(和束町地域力推進課)
9:00~16:00(4~11月)9:00~15:00(12~3月) 日曜営業
コース利用料(1日)中学生以上1500円、小学生以下1000円
自転車レンタル料 スタンダードグレード1500円、ハイグレード3000円、子供用1000円
最新号
2021 Spring / Summer