- 旅
- 2019.10.11
旅人を癒す、空と海に染まる宿
―潮騒の宿 晴海
日本の温泉地で一番有名な場所、それはおそらく大分県の別府だろう。別府湾と鶴見連山にはさまれたごく狭いエリアに、なんと8つもの温泉地域があり、街中のいたるところから湯けむりが立ち上っている。潮騒の宿 晴海は、そんな豊かな温泉郷に2007年にオープンした別府屈指のラグジュアリー・リゾートホテルだ。オープン当初は”晴の棟”だけだったが、2011年には”海の棟”、そして2019年7月にこれまで以上に贅を極めた”空の棟”を完成させた。
別府の湯を満喫できる全室温泉付きの空の棟には、ジャグジーとプールまで併設した特別仕様のゲストルームもある。ゆったりと寛げる家具の多くは女将がバリから買い付けており、なかにはバリの素材を大分の伝統工芸作家に依頼して作品にしてもらったものも。さながら館内全体が小さなミュージアムのようである。晴海ならではのオリジナルアイテムを扱うセレクトショップで旅の記念を探すのもお勧めだ。
フレンチレストラン「B i s t r o V e n t Nouveau」や、上質な酒と葉巻が揃う「terrace bar Voyage」でのエレガントな食体験も、旅慣れた大人をワクワクさせてくれることだろう。
ロケーションもゲストルームも食も、すべてに美意識がちりばめられた晴海。その滞在をさらに深く心に刻む瞬間は、夕暮れと早朝の時間に訪れることを最後にお伝えしておこう。ウォーターテラスに火が灯り、えもいわれぬグラマラスな陰影を描き出す時間帯と、心が震えるほどに感動的な別府湾の日の出の眺望。海と空、そして旅人が一つに溶け合う瞬間を、ぜひ味わってみてほしい。
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