有機野菜や旬の素材たっぷりの朝食が魅力のレストランANTEROOM MEALS も、名和晃平さんの監修によるアートで溢れる。館内の作品は購入も可能。
2019.08.30

モダンに遊ぶ京都 2

 

キュレーションされた滞在が感性を磨く

Bijuu

私たちが旅に求めるものとはなんだろう。美味、自分だけの静かな時間、日常にはない体験。


501号室のスイート。書家・華雪(かせつ)による書は、この客室の窓から見晴らす東山がモチーフ。

ここ「Bijuu」ではそのすべてが叶い、そしてそれ以上の驚きの出会いがあるかもしれない。3部屋ある客室には世界各国のアーティストやプロダクトデザイナーによる作品が配され、それぞれひとつのコレクションを鑑賞するよう。最上階のスイートルームの中央にはなんと、バスタブが。日本で大切にされてきた風呂文化を表現したという斬新な設計の客室は、2人同時に寛げる岩盤浴室も備えたラグジュアリー仕様だ。四条・河原町の賑わいも程近く、窓の下には高瀬川のせせらぎと、桜名所の一つである木屋町通が。食事時を静かに過ごすなら和食の仕出しを部屋に注文したり、あるいは祇園など徒歩圏内の観光名所へ繰り出したりと、動と静の緩急ある贅沢なロングステイも実現できる。客室の入り口で迎えてくれるアロマ、室内に流れるBGM などは、すべて「Bijuu」での滞在をイメージしたオリジナル。あなたのためにキュレーションされた、五感が刺激される唯一無二の体験となる。


傍らのアメリカの陶芸家アニ・カステンによる器も、どこか和の趣。ベッドサイドもアート空間に。


実は1832年創業の京漬物の老舗「村上重本店」が運営するホテル。和朝食膳は、とりどりの漬物の盛り合わせに炊きたてのご飯、お麩たっぷりの味噌汁、豆腐と、身体に嬉しい。

Bijuu
https://bijuu.jp/

Kyoto Art Hostel Kumagusuku


ツインタイプのRoom 4。テラス手前に、さりげなく石を積んだオブジェが。ここは内なのか外なのか、不思議な感覚に陥る。2017 年秋まで開催中の小林耕平さん・髙橋耕平さんの企画展の一部。

自身も現代芸術家であり美術大学で講師も務める矢津吉隆さんが、古い倉庫を改築し2015年に開業した“展覧会の中に泊まる” ゲストハウス。音のインスタレーションが流れていたり、部屋の片隅にオブジェがあったり。2階にある4タイプの客室がすべて展示の一部となり、寝る・食べるという滞在中の日常の中で、そこかしこに潜むアートの違う見方を発見し、意味を見出す、というプロセスを味わえる。2 階は基本的に1年ごとに展示替えをするため、同じ客室でも翌年は様変わりしているのが楽しみだ。中庭とつながる設計が開放的な1 階のギャラリースペースでは、年間を通して企画展やトークイベントなどが人気。


有機野菜や旬の素材たっぷりの朝食が魅力のレストランANTEROOMMEALS も、名和晃平さんの監修によるアートで溢れる。館内の作品は購入も可能。

Kyoto Art Hostel Kumagusuku
http://kumagusuku.info/

Hotel Anteroom Kyoto


有機野菜や旬の素材たっぷりの朝食が魅力のレストランANTEROOM MEALS も、名和晃平さんの監修によるアートで溢れる。館内の作品は購入も可能。

エントランスからパブリックスペース、客室に至るまで、アートがない場所はないというほど、常時200点以上の作品展示が圧巻のホテル。支配人・上田聖子(まさこ)さんがキュレーターでもあるということにも納得だ。2016年のリニューアルの際に増設され新たな注目となっているのが、彫刻家の名和晃平、写真家の蜷川実花などの作品世界に浸る8部屋のコンセプト・ルーム。お気に入りのアーティストの作品そのものに泊まるような体験は、ここにしかない贅沢だ。京都駅からも便利な立地の九条エリアにある、学生寮だった広大な施設を活かし、ほかにもシンプルで手頃なシングルルームから庭付きのツインルームまで全128室と充実。気軽に旅し、アートとの至近距離にときめこう。


ミニマルな空間に作品が調和する、“重力”がテーマの名和晃平Concept Room No. 154。

Hotel Anteroom Kyoto
https://hotel-anteroom.com/